槍ヶ岳山荘前にて 槍ヶ岳を振り返る
南岳山荘と穂高岳連峰 北穂への登り
北穂直下約100m地点で先行するパーテイが立ち止って警察に電話をしている。聞くと単独行の人が転落したらしい。途中で一度止まり、立ち上がり掛けたが再度転落し見えなくなったとのこと。岩田が降りて確認に行くも発見できず、呼びかけても返事は無い。かなり下まで落ちた様子だ。そこからは落石が要求者に集中する場所になったのでやむなく引き返す。その途中でウエストベルトを見つけ回収する。登山道に戻りウエストベルトを目撃したパーテイに預け、我々は先に進む。小屋のテラスで休んでいるとヘリが飛んで来て、ピックアップして行った。(後日、新聞を見ると200m滑落死亡とのことであった)その後も縦走を続け無事、穂高岳山荘に着く。ここもテン場はいっぱいであったが、トイレ前の石畳にテントを張らせてもらえた。
殺生ヒュッテ(4:50)〜槍ヶ岳山荘(5:20〜5:40)〜南岳8:15〜8:30)〜キレットコル(9:15〜9:35)〜事故現場(11:38〜12:05)〜北穂高小屋(12:50〜13:20)〜涸沢岳(16:10)〜穂高岳山荘(16:40テント泊)
8月12日(月) 晴
今日は一番の難所が待ち受ける縦走路、みんな気合いを入れて出発する。奥穂高の山頂からはぐっと登山者が少なくなるが、やはり単独の登山者は多い。尚子が一番怖かったという馬の背を越え、ジャンダルムの頂上に立つ。岩田は初めてジャンを奥穂から見たのは19才の時。それから42年にしてやっと頂上に立った。感無量である。
奥穂高岳からのジャンダルム 馬の背の下降
天狗のコルから天狗の頭、間ノ岳、赤岩岳と気の抜けない岩稜を進んで西穂高岳に着く。2年前に立った正月以来の山頂である。独標を越えると、もう危険地帯が無い道になりホット気が抜けてしまう。途中、単独の若者が登って来るがそのいでたちはスニーカーに金剛杖。大きなシュラフをザックの上に括りつけている。「どこまで行くの?」「行ける所までです」「昨日、今日と事故が発生しているルートやから気をつけなあかんよ」「はい」「できたら独標で引き返した方が良いよ」おせっかいかもしれないが注意をしてしまった。いかにも経験の少ない単独の登山者を今回、何人見ただろうか? これでは事故がいくつあってもおかしくないと感じた。西穂山荘では生ビールで乾杯する。今日で危険地帯は突破したので気分的に楽である。明日は焼岳を越えるだけだ。
穂高岳山荘(4:55発)〜奥穂高岳(5:30着 5:43発)ジャンダルム(7:08着 7:20発)〜天狗のコル(9:00着 9:20発)〜間ノ岳(10:50着)〜西穂高岳(12:40着)〜独標(14:18着)〜西穂山荘(15:25着テント泊)
8月13日(火) 晴
さあ、今日は縦走の最終日。中ノ湯まで6時間の行程である。上高地へ降りる道と分かれ中尾峠への道に入ると、いっぺんに道が悪くなる。途中で小学校低学年の女の子と父親を追い抜いたが、大丈夫か心配になる。引き返していれば良いのだが・・・。(可哀想だがあの女の子は絶対に山を嫌いになるであろうと思った)中尾峠からは百名山である焼岳への道はさすがにしっかりしており、頂上では意外に若者が多かった。
展望台からの焼岳 焼岳山頂にて
頂上から登山口までのコースタイムは2時間。楽勝と思いルンルンで下山するもこれが結構しんどく20分もタイムオーバーしてしまった。下山口で最後の記念撮影を撮り、沢渡で関東のお二人と別れ、平湯で温泉に浸かり神経を使った縦走の疲れを癒した。
西穂山荘(4:55発)〜新中尾峠(7:45着 7:55発)〜焼岳(9:28着 10:00発)〜新中ノ湯ルート登山口(12:20着)
歩いてきた山を振り返る 展望台の変な登山者
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