ユングフラウ(Jungfrau) 4158m
8月19日 晴
岩田 修一 真利子
メンヒ・ヒュッテはメンヒとユングフラウ他、ヘルンリ・ヒュッテがマッターホルン、モンテローザ・ヒュッテはモンテローザのように一つだけの山に登る客だけではないので、朝食時間が3時半と6時の2回に設定されている。メンヒは行動時間が短いので3時半組は少ないと思ったが半分以上はメンヒ組。分岐からメンヒを見上げると暗い中、数珠つなぎで登っている。あのペースでは日の出前に頂上に達しそうな勢いである。ユングフラウへは一旦、ユングフラウヨッホ駅の近くまで戻る。前日、駅前の雪上パークの横に登山の踏み跡らしきものを見ていたが、暗闇の中では広いので分かりずらい。先行パーティの明かりを頼りに進むがクレバスにぶつかったり、巻いたりしつつスピードを上げ追いつく。いきなり岩場の取付きで、普通の雪山をイメージしていたので間違いかと思う。下山後、駅から眺め、ノーマルルートは駅から南西に進んでセラック帯の中を登るが、取付いたのは途中から南よりに回り込んだロートタールホルンの東北東稜だと分かった。出だしがクラックで先が思いやられたが、その先は2〜3級が続きコンテで登る。雪が出てきて約60mの急な雪壁もあるが踏まれて階段になっている。
東北東稜の岩場 山頂(中央) フランスの女性登山者
稜線に出ると約
20mごとに鉄の杭が打ってある。踏み跡ばっちりで、なぜか傾斜の強い雪面を登るパーティがほとんどなので、我々は岩場で高度を稼ぐ。雪が多い時はこの杭を支点に使うのかもしれない。突然お腹の緩い修一は我慢できないと岩陰に。雪稜を後続パーティが先に行く。
ロートタールホルン東南東稜 ロートタールザッテル上の急な雪壁 南東稜からの頂上上部。右がユングフラウ
日本に帰ったら好きな乳製品を断つよう約束する。頂上は座るスペースがあったので小休止。
7月20日のスイス入り後、今回で雪と岩の山は終了。無計画な山行ばかりだったが、2人とも怪我一つなく過ごせたことに安堵する。
山頂にて メンヒとアイガー ロートタールザッテルを望む トレースが中央を横切る
下降も岩場をコンテで降り、傾斜が弱くなった辺りで雪面に移りサクサク降りる。急な雪壁はバックで降りるが長い。ノーマルルートへの分岐に出るが眼下に巨大なセラックとクレバスが大きな口を開けている。足の長い男性が助走をつけて180°開脚して超えている、私には絶対無理。周囲を必死で見渡しクレバスが狭くなった箇所を見つけたのでそちらから巻く。
急な雪壁を降りる クレバス帯の通過
そこから先は駅まで危険な箇所は無く、大勢の観光客がいる展望台に向かって歩くだけ。展望台にはウェディング衣装を着たカップルが写真を撮っていた。
ユングフラウ・ヨッホ 結婚カップル 氷の宮殿
ミディ展望台は登攀関係の展示が中心だったが、ユングフラウヨッホは氷の展示が有名。今年は登山電車開通
100周年を迎え、施設も新設され賑やか。ただ観光客の多くは中国人がほとんどで、一瞬ここはどこ?と思わせる。ホテルなどに掲げてある国旗はスイス・ドイツ・イタリア・フランス・オーストリアなどと日の丸もあるが、いずれ中国の国旗も加わる日がくるのか。柴谷さんに勧められた、アイガートレイルに行くためアイガーグレッチャー駅で下車、アイガーの裾を歩く。アイガー北壁を右手に西端から東端まで見続けながら歩く。壁にぽつんと見える登山電車の窓や、パラグライダーがアイガーを遊覧するのを眺めたりで飽きない。
アイガー・トレイルの標識 アイガー西壁 北壁の下を歩く
北壁への取付きへの踏み跡 北壁とルート図 アイガーヴァント駅の窓が見える
けれど、さすがに疲れが出てきたのと柴谷さんと夕食を約束していたことを理由に町までは歩いて降りる気力がなくなり、アルピグレン駅から登山電車に乗る。駅は結構人はいるが無人で、今回?回目の無賃乗車をしてしまった。
朝食(
3:30) ヒュッテ(4:20) ユングフラウ頂上4158m(8:50) 下山(9:10) ヨッホ駅3454m(11:10〜13:35) アイガーグレッチャー駅2320m(14:10) マルピグレン駅1616m(16:30) グリンテルワルド1034m(17:00)
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