爺ヶ岳

日時: 2013年5月3日〜5日
メンバー: 吉田Y、岩田、楠瀬、大屋、吉田N、尾嶋、岩根、阿麻橘

5月3日 (天候: 晴れ)
大谷原には何台も車両が駐車しており、準備を整えて長野県警山岳警備隊隊員に登山届けを提出して出発。鉢の木雪渓では雪崩が発生する可能性がある旨を伝えられる。
林道を歩き、途中から雪道に変わり赤岩尾根取付きについたころには一面の雪となった。
9:05 赤岩尾根取付き
休憩を一本いれて、急峻な赤岩尾根に取り付く。急傾斜な尾根を黙々と登る。ひたすら登る。
10:25 前のピッチで遅れがちな岩根さんの共同装備の振り分けを行う。我が装備に『鍋』が加わった。休憩を挟みながら、順調に高度を稼ぎ、13時前に高千穂平に着く。
高千穂平を少し過ぎたあたりで岩根さんの足がつりかける。大事をみて2回目の共同装備の振り分けを行う。我が装備に『食糧』がさらに追加された。
13:30 共同装備の振り分けをして暫くしてからアイゼンを装着した。稜線に向かいひたすら登る。無心になり登る。
赤岩の頭の手前でトラバースルートを選択して、稜線への分岐へ進む。トレースはしかっりついており、歩きやすいが、滑落すれば谷底までまっしぐらのルートを進む。時間が遅くなっていることもあるのか、稜線を越えて吹き下ろす風が強い。耐風姿勢を取りながら風が止んだ隙をついて進む。しかし、風は容赦なく吹き下ろしてくるので耐風姿勢を繰り返しながら牛歩の如くゆっくりと歩く。


赤岩尾根トラバース

15:30頃にトラバースルートを抜けて、稜線に辿りつく。当初の予定は稜線を進み適地で幕営であったが、時間が遅いこともあり冷池山荘に幕営することになる。
16:00 冷池山荘に着き、テント設営を行う。
17:20 テント設営が終わりくつろいだり、ビール調達に小屋へ向かう。食事の際は賑やかな女性陣のテントと、寡黙な男性陣のテントが対照的であった。

[コースタイム]
8:00 大谷原 9:05 西俣出合(赤岩尾根取付) 10:15 休憩(1580m) 11:05 休憩(1720m) 12:20 休憩(高千穂平手前) 12:55 高千穂平(2089m) 13:30 アイゼン装着 (2048m) 16:00 冷池山荘

5月4日 (天候:晴れ -> 曇り -> 吹雪く -> 晴れ)
3時起床予定。女性陣は時刻通り起床し、男性陣は少し遅れて起床した。女性陣の声が目ざましになったようなものだった。準備を整えて、5時20分頃に出発。
天候に恵まれたなか稜線を周りの風景を鑑賞ながら進む。振り返れば双耳峰の鹿島槍を望み快適な稜線歩きを楽しむ。途中に剱岳が見えたが、雲がかかっており立山連峰は天候が良くない様であった。ひたすら爺ヶ岳までの稜線を歩き高度と50周年記念山行のルートを稼ぐ。
7:10 爺ヶ岳中峰で『50周年記念』の旗を使い記念撮影。この時点では天候は晴れ。360度のパノラマが展開されている。暫く歩き、爺ヶ岳南峰からこれから先のルートを見るが針の木岳までは長い。しかし、眼下にはゴールの扇沢が見えるので複雑な心境になる。



稜線を下り種池山荘へ着き、大休止をとる。
吉田リーダーと岩田さんによる作戦会議が行われ、本日の行動が決定された。翌日以降に天候が崩れることが予想される為、岩小屋沢小屋まで50周年記念山行のルートを伸ばし、翌日は爺ヶ岳南峰を下山することになった。
種池小屋は小屋明けの準備で小屋の人が雪下ろしをしていた。
8:40 種池山荘までは爺が岳南稜の冬季ルートがあるので票布が設置されていたが、針の木岳まで『ノートレース』の稜線歩きが始まった。雪庇を踏抜かないようにルートをとりながら本日の幕営予定地の岩小屋沢小屋まで歩を進める。
途中から雲行きが怪しくなり岩田さん曰く『風がによう』と言われ皆、感心して岩田さんの説明に聞き入る。岩小屋沢のだいぶ手前の2500m付近で明日は荒天が予測され、引返しの時間を考慮して撤退を決断。


撤退地点での記録撮影

11:00 天気が荒れぬうちに安全地帯まで来た道を引き返す。
疲れが見えてきた岩根さんの荷物を余力のある人に種池山荘の手前で振り分ける。13時前に種池山荘に着く。小屋の人から『柏原新道のトラバースは厳禁』と言われ、爺ヶ岳南峰へと登り返す。天候は荒れ続け、少し吹雪きだした。
14:10 悪天のなか、爺ヶ岳南峰へ着き、ここからはひたすらテントサイトへ向かって下ってゆく。
途中で雷鳥が飛ぶ(数十メーターほど)という非常に珍しいと思える光景に出くわす。
15:10 テントサイト予定地に着く。複数のテントが色鮮やかに設営されており、我々の2テント2張りもその中に加わる。テント設営が終わったころには天候は回復し、晴れ間ものぞいていた。
夕食は岩田さんの発案で一緒に食べることになった。

[コースタイム]
5:20 冷池山荘 7:10 爺ヶ岳中峰 (記念撮影) 8:03 種池山荘 8:40 10:00 休憩 11:00 岩小屋沢岳の手前の2500m付近 (撤退開始) 13:00 種池山荘 13:47爺ヶ岳中腹 14:10 爺ヶ岳南峰 15:10 爺ヶ岳南峰 ジャンクションピーク

5月5日 (天候:晴れ)
4時起床、6時出発で準備を進める。昨日の予想では荒天となるはずが、快晴である。
最終日なので荷物も軽く爺ヶ岳の南尾根をさくさくと下山する。
だいぶ下に下りたあたり(柏原新道の分離より上部)で岩田登山教室の『読図』と『氷雪技術』が
開催された。読図はクロスベアリング法を使用して現在地の特定を各自で行った。想定した目標が違えば、あらぬ場所が現在地として地図上に示されることを各自で実感する。氷雪技術はカッティングによる足場の構築を滑落したら谷まで一直線の斜面で実施する。
柏原新道に合流すれば整備された登山道に変わり、10時前に扇沢下部の無料駐車場につき、全員無事下山を果たす。
蓮華岳・針ノ木岳のパーティーと大町温泉郷で落ち合い、入浴後に大阪へ帰阪した。

[コースタイム]
6:06 爺ヶ岳南峰 ジャンクションピーク 8:40休憩 10:00 柏原新道登山口

関西蛍雪山岳会トップページに戻る