春合宿 小川山クライミング

日程: 2018年5月3日~6日
メンバー: S里、モッチー、T邊、M條、こやっきー(報告)、会外1(T本)

3日:合宿何日も前から天気がいまいちの予報で九州に行くか小川山に行くかなかなか議論がやまなかったが、GW後半の九州の気温が高くなることがはっきり分かった途端に涼を求めて小川山へ。3日は天気が良くないので朝、大阪を出発することになった。2日の夜にT邊さんの新居にお邪魔してトポを見ながらどこを登るかなどの作戦を立てた。3日は早朝に出発したので、多少渋滞にはあったが13:00くらいにはM條さん推しの焼肉ふじもとに着いた。量も満足でありとても美味しかった。
ナナーズに到着して、明日以降の朝・晩ごはん、行動食などの買い出し。僕はせっかく小川山に行くのだから前日からクライミングシューズを購入しようかなと思っていたので、Calafateへ直行。S里さんとお店の人に紹介してもらい何足か履いて、カタナレースに決定。シューズを購入すると合宿のお金が払えなくなるので他の人から了承をもらい(ありがとうございました)、おにゅーのシューズを手にすることに。このお陰で明日からの行動食は質素なものに…
廻り目平キャンプ場に着きテント設営などの準備を終えると15時すぎで、時間もあるので僕とS里さん、モッチーさん、Tさんはマルチピッチの「春の戻り雪」を行くことになった。
花崗岩を触るのは初めてでフリクションはしっかりきくけど、手が痛いなと思った。S里さんが全てリードで3pのルートを登った。岩は乾いていて登りやすかった。懸垂下降で下ると18時前くらいであったのでサイト地へ戻る。今日の晩御飯はキムチ鍋と鹿肉。お肉がたくさんで美味しかったし体も温まった。明日のルートなど話し合い、22時すぎに就寝。

焼肉ふじもと 美味!


「春の戻り雪」取付き


  4日:5:30に起床。ラーメンを食べ、準備をして僕とS里さんはマルチの「がまルート」へ向かった。1pは核心ではないし、上部で渋滞するのが嫌なので巻いて上がり2pから登ることに。すると6人くらい人がいて、もう渋滞しているのかと思ったが一つのグループみたいであった。1ピン目で苦戦しているようで、結局降りてきた。先に登らせてもらうことになり、S里さんがリードで進んだ。確かに1ピン目が難しそうであったがさくっと突破し、60mロープいっぱいになるまで登って行った。僕も同じところが怖かったがフォローなので登れた。そこからしばらく歩き、僕がリードすることになった。まだまだ手際が良くないが何とかフォローの引き上げを行った。そこからはつるべ方式で登った。最後の終了点を作るときも時間がかかってしまい、もっと練習しなければだめだなと痛感。がまルートの反対側から2回懸垂下降を行い、そのままスラブ状岩壁でシングルピッチを楽しんだ。僕は「Song of Pine」をOS、「穴があったら出たい」を2ピン目の手前でぎりぎりフォールしてしまった。スラブなので距離のある落下になってしまった。少し膝を打って痛かった。S里さんは「デロリンマン」をTRで登った。早くこれくらい登れるようになりたい…!
スラブ状岩壁を後にして、僕がクラックを触ってみたいことを言うと「がまクラック」へ連れて行ってもらった。

勢いがあるのも最初だけで、初クラックの洗礼を浴び3テンションくらいかけ満身創痍のまま左岸スラブへ移動した。S里さんが「ブラック&ホワイト」の核心でなかなか苦戦していた。スラブは独特の緊張感があるので疲れる。僕はそこには登らずトムといっしょを登った。何とかマスターOSできて良かった。雨上がりで寒気が入ってきており、今日一日はとても寒い一日だった。金峰山荘でお風呂に入り、あったか鍋を食べお互いの登ったルートの話などした。

初クラックの洗礼を浴びる 「がまクラック」


5日:5:30起床。今日はモッチーさんと藐姑射岩へ向かった。中央壁はまあまあ人がいたので、上部へ移動することに。なかなか歩きにくい道でようやく「見かけの5.4」に取り付けた。この時点で9時過ぎになっていた。しっかりと手にテーピングを施し、モッチーさんにリードしてもらった。初めは肩がすっぽり入るくらいのクラックで登りやすかった。上部は手のひらくらいのもので何とか上がった。リード&フォローで登ったので懸垂下降で降りようとしたがこの時、モッチーさんのビレイデバイスのワイヤー部が外れていたことに気づいた。結局、モッチーさんはムンター懸垂で下降することになった。次に、来た道を少し戻り、「三葉」にモッチーさんが登った。モッチーさん曰く、もう10年も登られてないくらいにルートが砂や葉っぱや蜘蛛の巣で大変だったようであった。さらに、クラックも3種類あったみたいで、これが「三葉」の由来なのかなと思った。モッチーさんの苦戦している感じから僕は登らなかった。もうこのエリアは色々な意味で十分、ということでソラマメスラブエリアへと移動した。初めに僕が「生木が倒れたよ」をOSし、次にモッチーさんが約10年振りに「甘食」をRP、そのままTRを張ってもらい僕も何とかノーテンで登れた。気温は昨日とは違い、爽やかではあるものの軽く汗ばむくらいであった。それから上の岩場に上がり「ソラマメスラブ」を僕とモッチーさんで登った。スラブということもありピン間が遠くなかなか身も心も疲弊するものであった。僕は隣りの「やわらかそらまめ」も登りクライミングは終了した。この日の晩御飯は外で食べる予定だったので、お風呂も川上村のほうにあるところで入った。晩御飯は今合宿ご用達の焼肉ふじもとに行った。2日ぶりだけどやっぱり美味しかった。テントに戻り軽い晩酌を済ませ就寝。

6日:5:30起床。最終日なので今日はお昼までクライミングすることになった。S里さん、M條さん、僕、モッチーさん、Tさんが兄岩・父岩方面へ。T邊さんがボルダーをするとのことで別れた。M條さんが「小川山物語」に登りたい!ということで僕とS里さんも便乗させてもらった。S里さんがOSジャンケンをしようと言うことで、ジャンケンをしたらS里さんが勝ち、次に僕が勝ち、提案してくれたM條さんが3番目になってしまって少し申し訳ない気持ちになった。S里さんのどんな課題に対してもOSで登るという熱意を垣間見た気がした。各自準備を整えて1番目のS里さんがトライ。「小川山物語」のグレードは低いので油断したのか、真ん中少し下辺りでルートを探すのに少し迷っていた。それでも難なく越え、楽しそうに登っていて早く登りたくなった。

「小川山物語」S里さんOS中


次に僕が登った。下から見ているよりも手、足ともにホールドがあり初めは緊張しながらも登れた。真ん中くらいから上は景色は良いが、高度感もあり足がぷるぷるしていた。終了点につき後ろを振り返ると金峰山荘や廻り目平キャンプ場、小川山の岩群の素晴らしい眺望を望んだ。3番目にM條さんが登った。終了点までは30m弱あるので怖そうだったが、一つ一つ着実に登っていた。終了点で景色を見るのを忘れてしまったみたいなのでまた今度小川山に来た時に…
そこから少し下り、僕たちは「タジヤンⅡ」に取付いた。またまたS里さんがOSジャンケンに勝利した。今度は僕もOSしよう思いと離れたところでお菓子を食べることにした。しばらくして流石S里さん、OSしたようで降りてきた。僕も準備をして登り始めた。下部に2か所の核心があるということで1ピン目を慎重にクリップし、2ピン目に行こうとしたが1ピン目を越えられない。両手がミリカチ(?)で足を手の少し下に上げないといけないムーブで分かっていても怖く何度も行ったり来たりしていた。そうこうしているうちにテンション…あっけなくOSへの挑戦は終わってしまった。この間にかなり体力を使ったのでM條さんと交代してもらった。M條さんも同じところで苦戦しているようで数トライの後に僕と交代。暗雲が立ち込めてきた気がした。このまま登れないとS里さんがもう一度登ることに…
M條さんが登っているときの体の動きを見ながらイメトレをし、再び挑戦。何度か落ちながらも、必死のパッチで抜けて上がることができた。そこからは「小川山物語」と同じように高度感を楽しみながら、やや左に進みながら登ることができた。終了点での景色は言うまでもなかった。RPは今度来るときまでの宿題にすることにした。そしてM條さんも核心部を越え、「タジヤンⅡ」を楽しんで登っていた。時間になったので金峰山荘に戻って後を振り返ると右に「小川山物語」、左に「タジヤンⅡ」が見えこんなところを登れたのかと嬉しくなった。
今回の小川山でのクライミング合宿は初めての花崗岩のクラック、スラブや広いエリアなどで十分に楽しむことができた。またマルチクライミングもでき、色々と中身の濃い合宿になった。早く他の人みたいな「クライマー」になりたいなぁと思う今日この頃…

「タジヤンⅡ」1ピン目。ミリカチ、足上げで登れない。


右上「小川山物語」、左上「タジヤンⅡ」



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