南アルプス 鋸岳縦走、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳

場所: 南アルプス 鋸岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳
日程: 2015年12月29日~2016年1月2日 (一部メンバーは1月1日まで)
A班: 望月[L]、井元[SL]、田邉、ブルーレー
B班: 岩田[L]、岩田(真)、深谷、田口[監督]

12月29日【快晴】
8:00頃戸台出発。縦走隊のA班B班の皆、甲斐駒・仙丈登山隊の村上さん、小林さん、高橋さんを交えて大所帯での出発。
9:45角兵衛沢出合にて甲斐駒・仙丈登山隊とはしばらくお別れとなる。また正月にと手を振りあう。
天気がよく、とても冬山とは思えない。先は雪も少なそう。飲み水を確保できないかも? ということで、角兵衛沢出合の水(綺麗なのかどうか・・)を各々プラティパスに入れ、歩荷することに。荷物が重くなったが、大岩まで頑張るしかない!
途中、沢筋でおこじょ(のような生き物)に出会う。倒れた木や根っこのあたりでくるくる動き回っている。とてもすばしっこい・・。
長い日程の縦走初日は荷物も多く、大汗をかきながら急登を登って行く。



13:30大岩到着。村上さんから聞いていた通り、大岩からは大絶景が望める。湧き水が出ていたので鍋で集めながら幕営。時間も早かったため、テントで少し居眠りしたり、外で景色を見ながら話したりと、各々まったりした時間を過ごす。
各テントで食事とお酒少々。B班のテントからは美味しい鴨肉の差し入れが。

12月30日【快晴】
6:30ごろテント撤収し出発。A隊B隊合同で進む。今日も天気が良くなりそう。
8:40角兵衛沢のコル。コル手前では先行パーティが幕営していた。
9:30鋸岳頂上(第一高点)到着。本当に冬山かなと思う程快適。
10:20頃から小ギャップを越える。A隊B隊と人数が多いため、懸垂下降と登り返しで1時間ほどかかってしまう。コルで幕営していた後続パーティが寒そうに待っていた。



11:30鹿窓到着。雪もかなり少ないので夏道を行くことに。先に望月さん、井元さんが偵察。すぐあとに田邉君も下降する。足場はザレザレで、足を少し動かすだけでざらざら落石が起こるため、じっと待機。しばらくして望月さんから、ロワーダウンのほうがいいかもとの声があったので、田口さん深谷さんが支点を作成して下さり、深谷さんにロワーダウンしていただく。3人は荷物を背負ってここを下降したのだ。このまま強い3人に無事ついていけるかな? と少し不安になる。先に下降したA班はそのまま先へ進む。
鹿窓から少し進むと嫌なトラバースが続く。そこから沢を少し下降。振り返ると、先ほどの嫌なトラバースにB班のメンバーが。岩壁にヤギが張りついているみたいな光景に、笑いが出る。



薮をこぎ稜線へ出て、6合目石室への長い長い道のりを歩く。
17:30ごろ日の入りとともにぎりぎり石室到着。中でテントを張り、水を作りながら食事の準備。B班はどこか手前で幕営してるかも・・・と話していると、じきB班も石室到着。
もう1パーティとあわせて3張のテントで賑わう。この日もB班田口さんからおいしい差し入れが! 鴨肉のチャーハン。明日に向けて英気を養う。

12月31日【曇りのち快晴】
7:50ごろテント撤収し出発。強風の中、甲斐駒ヶ岳へ向けて登る。強い風にあおられて何度も立ち止まったり、ふらついたりする。強風は体力を消耗する。途中風をしのげる岩陰で休憩。

なんでもない場所でアイゼンを絡めて転倒してしまう。膝が痛く、やむなく荷物の中の重いものを何人かに持ってもらう。手助けをしてもらいながら岩場を越え、11:00ごろ甲斐駒ヶ岳山頂。

この頃には風は弱まり、真っ青な空と富士山、アルプスの峰々の大展望を見られる。暖かいため、頂上の岩に登ってポーズをとってみたり、地図を広げ景色を眺めたりと大休憩を楽しむ。
A班B班皆で集合写真をとり、11:20ごろ下山開始。

14:00仙水峠到着。少し休憩し、仙水小屋を越え、北沢峠の長衛小屋前キャンプ場に到着。
キャンプ地にて堀内さん、田中さんと合流。テント設営し、長衛小屋へ直行!! ビールとおでんで乾杯。長い道のりだったため、おでんが染みる・・。

テントで炊事中、村上さん、小林さん、高橋さんが挨拶まわりに来てくれる。12/29ぶりの再会でテントが盛り上がる。わいわい話したあと、良いお年を? と挨拶し、堀内さん、田中さん、深谷さんと入れ替わり、またもやわいわい。
年越しニシン蕎麦を作り、ラジオから流れる紅白をうっすら聞きながら、年の瀬が過ぎて行く。

明日は望月さん、井元さん、B班の皆さんは下山するが、田邉くんと私は仙丈ヶ岳へ登るので、宴もたけなわ? といったところでお開き。望月さんは堀内さん・田中さん・深谷さんとともにテント移動し、飲み直しへ・・・。年越しの夜は長く続いたようだ。先におやすみなさい。

2016年1月1日【快晴】
6:30頃、望月さん井元さん、B班、他隊の皆さんと別れ、田邉君と私は仙丈ヶ岳へ向かい出発。
長旅のためか、昨日の年越し酒が効いたのか、体が重たい。

樹林帯の木々の隙間からは、八ヶ岳や北アルプスを望める。今日もいい天気だ。
8:30頃六合目。高度を上げ、樹林帯を越えるころ、昨日以上の強風に晒される。寒くて息苦しい。
小仙丈でいったん休憩。これ以上体力がもたなそう・・・と弱気な私。このまま進むかどうか相談。しばらく悩み、体が冷え始めたころ、やっぱり進む! と決意。あの先に仙丈ヶ岳があると思うと、行かないともったいない。強風の中ゴーグルをつけ、稜線を歩く。

10:20頃、仙丈ヶ岳頂上到着。諦めず頂上へ行ってよかった。元旦の仙丈ヶ岳はこの日も快晴で、本当にいい眺め。元旦に山にいる事は初めてだったので、とても思い出深い登頂になった。

2016年も安全に山を楽しめますように・・と心の中で唱え、早々に下山開始。
12:30ごろに北沢峠に下山。甲斐駒ヶ岳へ行っている堀内さん・田中さんはまだ下山していないだろうということで、北沢峠こもれび山荘で休憩することに。カップラーメンで体を暖める。
山荘内はストーブで暖かく、居心地が良い。漫画を読みながら、しばらくまったり過ごす。

13:30ごろ、テント場に戻ると堀内さん・田中さんも下山しており、テントの中で昼寝中。
外も暖かいので、田邉くんと私はテントそばのベンチでシュラフを干しながら軽く昼寝する。

山に日が隠れるころ、そろそろ冷えてきたので・・・堀内さんと田中さんを起こし、またもや長衛小屋へ直行。今日も生ビールとおでんで乾杯! 田中さんのお正月料理をごちそうになり、この日も軽く飲んで就寝。

1月2日【晴れ】
テント撤収後、堀内さん、田中さん、田邉君、私の4人で下山開始。戸台までの道のりが長い。もくもくと歩き続け、9:30ごろ到着。
下山後は温泉に入り、久しぶりに体の汚れを落とす事ができた。

今年は本当に雪が少なく、また寒さもそこまで辛いものではなかった。長い日程の冬合宿だったが、最終日までずっと快晴に恵まれ、予定通りの行程で進む事が出来た。
また、ルートも岩稜を登ったり、稜線を歩いたりとバリエーション豊かで、とても楽しい山行であった。


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