乗鞍岳〜十石山

日時: 2013年2月9日〜11日
メンバー: 吉田、岩田(修)、岩田(真)

予定: (乗鞍高原〜)肩の小屋〜十石小屋〜中ノ湯
結果: (乗鞍高原〜)肩の小屋〜十石小屋(〜白骨温泉)

2月9日(土) 晴れ/曇り
乗鞍スキー場の駐車場に3時に着き、仮眠後、7時に起床。3人でリフトを3本乗り継ぎ、ゲレンデトップに着く。ここで岩田さんはゲレンデへ、やなぴと我はシールを付け登行開始する。
スタート時点で我らの他、数パーティーほぼ同時出発する。先行パーティーもあり、有難くトレースを頂戴する。トレースの深さはくるぶし程度である。好天に恵まれやや暑い。10時過ぎ2340Mで小休止後、再び登行する。他パーティーも多く、我らの前後に20人ぐらいはいるだろうか。各パーティーともとくに早くも遅くもなく、我らを含めて同じようなペースでひーこら登っていく。位ヶ原辺りで集団は富士見岳方面と肩の小屋方面の2手に分かれる。富士見岳方面の面々は恐らくピストン滑降だろう。肩の小屋へ向かうのは我ら2人と歩きの1人である。2600Mの小屋付近で小休止後、30分ほどで肩の小屋に着く(12時)。岩田会長と交信し、先に進むことを伝える。

  

歩きの1人は往路を戻り、我らは肩の小屋から車道?を伝い富士見岳方面を目指す。ほどなく車道は登行不能となり、スキーをはずし摩利支天方面への直登に切り替える。摩利支天の鞍部に着く。ここからは今回初めての下り斜面であるが、カリカリのバーンである。賢明なやなぴはアイゼンで降りる。我はスキーを履き、岩田会長のごとく豪快かつさっそうと滑降する。いや、途中でこけたりしながらぶさいくにズリズリと滑り降りる。一人で遊んでいるうちに、やなぴは遥か下におり、そこで滑る準備をしている。さすがである。どうにかこうにかやなぴに追いつき不消ヶ池辺りまで滑ったのち、車道?まで少し登る。以降、小一時間で桔梗ヶ原に着き、ここをテン場とする(14時半)。
設営後、食い、呑み、寝る。穏やかな一日であった。

[コースタイム]
乗鞍スキーゲレンデトップ(9:15、1990M) 肩の小屋(12:00、2760M) 白雲荘付近(14:00) 桔梗ヶ原テン場(14:30、2650M)、設営完了(15:30、-6℃)

2月10日(日) ガス/曇り/ガス
5時起床、出発準備を整える。テントの外はガスである。視界は5m程度か。しかし年末年始を思えばはるかに視界がきく。ラッキーである。しかも今回は新たなツールがある。“GPS"である。ザックから出す。見る。使い方? 知らん。しまう。スキーを担ぎ進む。こまめに地図とコンパスを見る。時折GPSを取り出し、そしてしまう。
行動開始から1時間半程で硫黄岳付近につく、硫黄岳は当然のごとくトラバースで巻き、北進する。進路が北東に変わる辺りでスキーを履き、50m程度の標高差を滑降し広い鞍部に着く。かなり視界は開け、一瞬晴れ間もみえる。
ここからは、金山岩に向けた登りである。シール登行するも次第に傾斜がたち、ツボ足に切り替える。12時頃、金山岩ピーク付近を左手に見、通り過ぎる。稜線下をトラバースで進むも、急傾斜+膝上程度のラッセルであり少々きつい、そして担ぐスキーが何やら重い。やなぴもラッセルしてくれる。トラバースは何やらきついので、稜線に出ることとする。
稜線に出て前進する。視界は20m程度か、ラッセルは相変わらずであり、細かなアップダウンが続く。雪の下はハイマツ帯らしく、10歩に1歩は踏み抜き、へそぐらいまですっぽりはまる。やなぴもはまっている。我々は時に体全体はまっている。笑ってまう。枝やら何やら絡まりながら這い出る。これを繰り返すとジャブのように効いてくる。
稜線をやりすごすと、十石山付近の広い空間に着く。雪はかなり飛ばされているが、視界が利かない。GPSを出す。見る。?。しまう。十石山のピークがどこかわからないまま、16時半、十石避難小屋(2500M)に辿り着く。避難小屋の冬季扉は、表現しにくいが上に開けて開口する板戸であり、締まっている板戸の隙間から小屋内に雪が入らぬよう、板戸内側にブルーシートで何やら工夫がされている。しかし、このブルーシートに雪がたまっており、重く、板戸を開けられない。どうにかこうにか板戸を持ち上げ隙間からやなぴが小屋内に入るが2人とも入ると今度は出られなくなるかもしれない。ゆえに小屋横でテントを張ることとする。
17時半、設営完了。18時、岩田会長との交信を試みるもトランシーバーはつながらない。携帯を出し、オンにする。電池残量は十分である。ラッキーである。途端、メーリングリストの会メールを大量に受信する。電池が切れる。開いた口をふさぎ、しばし携帯を温めると電池が復活する。岩田会長に現況と翌日は白骨温泉に下ることを伝えたのち、食い、呑み、寝る。穏やかでない1日であった。

[コースタイム]
テン場発(7:40) 硫黄岳付近(9:10) 金山岩付近(12:10) 十石山 十石小屋横(16:30、2500M、-13℃)、設営完了(17:30)

2月11日(月) ガス/曇り
5時起床、7時半頃発。完全にホワイトアウトである。しかし、風はさほどない。ラッキーである。白骨温泉まではほぼ全て滑降の予定である。懲りずにGPSを出す。ピンポイントで現在地がわかる。優秀である。しかし何やら方角が定まらず、地図がくるくる回っている。コンパスと地図を併用し、進行方向を決める。何も見えない中を2400M付近まではトラバースしながらゆっくり滑って行く。2400M付近からはひたすら東方への滑降である。雪は比較的軽いが深い。滑っていくとどんどん雪に埋もれていき、腰上まで埋もれたところで止まる。這い出る。滑る。埋もれる。這い出る。滑る。繰り返す。我々の滑った跡は深く長い溝となっている。
次第に雪は浅くなっていく。膝下程度だろうか。1900M付近でシール登行する7人ぐらいのパーティとすれ違う。彼らに対し、この先雪が深いので溝を使って下さい、と思う。
11時頃白骨温泉に着く。岩田会長が待っていてくださる。温泉に行く。出る。帰阪する。
充実したスキー山行であった。

[コースタイム]
テン場発(7:30) 白骨温泉(11:00)

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