称名川 ザクロ谷遡行

2016年8月13日~14日
メンバー: 望月、田邊、堀内

8月13日
夏場の称名道路の開通時間が6:00~19:00までなので、それに合わせて称名道路に向かう。
6:00過ぎに称名川第二発電所近くの路肩に駐車する。
ここから導水管横の長い階段を登っていく。朝から階段登りはつらい。登りきったところに、一人が通れるくらいのトンネルの中をヘッドライトつけて歩いていく。コウモリが体当たりしてきて、気持ち悪い。トンネルを抜けると、雑穀谷が現れ、朝日が眩しい。ここで装備を付けて、雑穀谷を遡行していく。水は冷たいが、ウェットスーツを着ているので、大丈夫。9:30ザクロ谷に到着。

 
        雑穀谷                             ザクロ谷F1

切り立った緑の岩壁が前方に続いて、その奥は見えない。とりあえず、泳いで、F1に取り付き登りあがる。
その先には、10mの瀞があり、F2は見えない。奥から「グウォーッ」と音だけが響いてくる。ちょっとビビる。
谷が1mほどに狭まった所まで泳いでいく。もう一人、田邊がきてそこでセルフを取り、ハンマー投げ試みるが、失敗。田邊が、2m程上の棚に登り、そこからハンマー投げを試みるが、これもかからない。幾度も投げるが、かからない。ここでの体制がつらく、寒さもあり、瀞手前の望月と交代して、瀞手前に戻る。望月が田邊のさらに前まで滝に近づき、投げるがこれもだめなようだ。敗退ムードが漂う。すると「田邊君が、直登します」との声が聞こえ、急いで、滝の見える所まで泳いでいくと、田邊が滝の裏側に入り、滝の右側上部から出てきた。「ヤッター」後は、流れの上部をつっぱりで越えていく。連れてきて良かったー。いや連れてきてもらって良かったー!ハンマー投げに時間を使い過ぎたな。

 
      F2手前の瀞                          F2登攀する田邊

続いて、僕がユマールで登っていくが、水流に弾き飛ばされて、望月に先に行ってもらう。望月も水流に弾かれそうになるが、何とか耐えて登りあがる。F2上部で、荷物を荷揚げして、最後を何とか登っていく。この滝は、F2からF3までで5段20mの滝という表現の方が正しいような感じがする。F3で待っている間は常に滝の飛沫がかかり寒かった。田邉が、F3左側をショルダ―で試すが、水流と上部に手がなくあがれない。田邉が2度ほど試すが、水流にあたりすぎて寒さを訴える。右側も登れず、最終的に望月が左側のリス沿いにネイリングで突破。滝の中から脱出できて一安心。

 
    F3 田邉                 F3 望月ネイリングで突破

F4手前で腹ごしらえをして、時間を見ると15:30。だいぶ時間を使い過ぎた。次は念願のF4なので、リードさせてもらう。泳ぎで滝下まで行く。水量が少ないのか釡が埋まったのか、滝近くに浅いところがあり、そこから飛び込み、滝に取りつく。大股開きで軽く登れるものと考えていたが、岩が滑っていて気持悪い。滝上部右手にポケットがあったので、スカイフックにあぶみをかけて休み、もう一歩ふみだし岩をつかんで滝上へ。荷揚げをして、2人に登ってきてもらい。先を急ぐ。

 
     F4 堀内                      F5 先を急ぐ

せめて牛の首まで行かないと。ここからは、1人が先に行きルートを工作、もう1人も追いかけて、ショルダ―、アブミで次々と登っていく。


    ゴルジュは続く

なんとか、18:30暗くなる前に牛の首に到着。快適な砂場のテン場で焚き火をして、タープを張って、乾杯。牛の首には流木が沢山あり薪には困らなかった。お酒を飲むと眠くなり、22:00就寝。
翌朝、いつものごとく寝過ごし5:30起床。焚き火の残り火で暖まり、食事をして7:00に出発。

[タイム] 称名川第二発電所(6:30)~ザクロ谷(9:30)~F4(15:30)~牛の首(18:30)

8月14日
7:00に牛の首を出発。はじめのてまり滝は右岸を巻き、早乙女沢出合に出る。早乙女沢は岩ばかりで、薪もなく、泊まるなら、牛の首の方が快適だろう。朝一に水に浸かるのはさすがに冷たく。目が覚める。

 
    てまり滝                                 朝からゴルジュ

 
あぶみ、ショルダーで登っていく

小滝を次々と超えていき9:30にF25、4段25mの滝に着く。ここは右岸を巻くが、コケで気持ち悪いスラブだ。
休憩後、僕が登るが、足をのせると滑る。重いギアを置いて、軽くして登っていく。5m程登った穴ぼこのところで、カムをきかせる。左上へ抜けていくと途中残置のハーケンが2本あり、使わせてもらう。上部の木で1ピッチとして、登ってきてもらう。2ピッチ目は最後の望月がそのままリードして、バンドをトラバース。3P目少し降りて、ソーメン滝手前に出てくる。

 
    F25スラブ                            田邊ソーメン滝登攀

ソーメン滝は田邉がリード、フリーであっさり超えていく。連れてきてもらって良かったー。その後ろをユマールで登っていく。

 
  ソーメン滝で望月を確保する田邉             小滝

この後、小滝を越えていき、13:40 F34に到着。ここは、残置のリングボルトを使ってのトラバース。下から見ると、3つ目までは見えるが、1本目の残置ハーケンは水面から3m上。望月にリードをお願いし、登ってもらう。
水面が胸まである釡の中でショルダーしてチョンボ棒(80cmくらい)使って届くくらいなので、望月と田邉で水の中へ。冷たそう。カムをきめてアブミに乗り込み、ショルダー試みるが肩にのれず一旦水から上がってくる。

 
F34 胸までの水面からショルダー+チョンボ棒          F34望月リード

望月もかなり震えていて、寒そうだ。望月の体温が回復するまでに、僕が1ピン目にアブミをかけに行くことに。
とりあえず一人で、水面へ入り用意ができたところに、田邊を呼んで、ショルダー+チョンボ棒でアブミを残置ハーケンにかける。ここで、望月と交代し、リードしてもらう。残置のリングが大丈夫か確かめながらアブミトラバースで抜けていく。最後がなんか厳しそう。次に僕が登るが、やはり、最後のアブミから滝上へののっこしが気持ち悪い。良かったフォローで。荷物を荷揚げして、最後に田邉が登ってくる。空を見るとまだ明るいが、雲が出はじめ雨がぽつぽつ。田邉、トラバースのところで、少し苦労するが、何とか登り滝上へ。


F34 田邉

時間を見ると16:20 空は雨模様。降ったりやんだりだが、明日は悪くなるらしい。
ここで相談して、F40まで登ることにこだわらず、F36を越えたあたりから左岸側にあがれそうなので、そこから登山道をめざすことに、とりあえず、F37の手前まで見に行き、途中左岸にあったガリーを登っていくことに、ところがあまりよろしくなく、ロープを2回程出すが岩壁に行き止まる。ここで、登山道の方向へ向けて笹のブッシュを藪漕ぎして稜線へ登りあがる。ここから小さい谷を越して登山道へ。18:00頃到着。

ありがとう!みんなで握手をして、下山開始。すぐに、雨が降りだし本降りに、大雨だ。沢をぬけててよかった。ゲートが19:00に閉まるので最初急いだが、雨がさらに激しくなり、19:00までの下山をあきらめ、ヘッデンをつけてゆっくり降りることに。19:20称名道路に到着。ここからさらに20分程歩き駐車地へ到着。

[タイム] 牛の首(7:00)~F25(9:30)~ソーメン滝上(12:30)~F34滝上(16:20)~登山道(18:00)~称名道路(19:20)~駐車地(19:40)

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