夏山合宿 剱岳

日時 2012年8月11日〜13日
メンバー: 斉藤、村尾、松原、石塚

8月11日
室堂周辺はあいにくの曇り空で、少し肌寒い。出発時に忘れずに登山届を提出した。みくりが池から、地獄谷ルートを通ると若干ショートカットなのだが、硫黄ガス濃度が高いとのことで通行止めになっていた。結構離れているにも関わらず、独特の刺激臭が襲ってくる。
途中、雷鳥沢キャンプ場と雷鳥坂の2か所で休憩をとり、早いペースで剱御前小舎に到着した。重い装備を担いでいるのに、みんな音をあげない。日ごろの訓練の成果が出ているようだ。
11時過ぎに剱沢キャンプ場に到着し、すぐに設営を開始した。途中で降雨があったが、一時的なもので、すぐに降りやんだ。昼過ぎに深谷氏が訪ねてきたので、近況報告と明日のコースについて話をした。新人の3人には16:00からの気象通報で天気図を描いてもらった。日本付近は気圧の谷に入ってしまったようで、明日の天気は曇りのち雨などと予想してみた。
夕食は佐土原シェフ特製のスパイシーなビーフカレーと切干し大根サラダだった。お腹いっぱい美味しくいただいた。
夜空を見上げると天の川と流星を見ることができた。何となく、晴れそうな予感がした。
[タイム]
7:45室堂 8:50雷鳥沢キャンプ場 10:25剱御前小舎 11:10剱沢キャンプ場

8月12日
3時に起床して、ワンタン・餅・チーズ入り春雨スープをいただき、身体がぬくもった。
4:45 Aチーム、Cチームと同時に出発して剱沢小屋で健闘を祈って別れる。剣山荘付近で高山植物の写真を撮っていたら、日の出の時間となり、眩しい太陽を拝んだ。雲ひとつない快晴だ。
別山尾根は人気ルートとあって、大勢の人で賑わっていた。鎖場などでは渋滞が発生していた。
Bチームは斉藤以外は若くて体力があるので、ほぼノンストップでグイグイ高度を上げていく。
最後の難関、カニのたてばいも安定した登りを見せてくれた。8時前に山頂に到着した。早速、記念撮影をして、まったりと至福の時間を過ごした。山頂には40分ほど滞在して、下山することにした。下りの滑落事故が特に多いことから、細心の注意を払った。
昼前にはベースキャンプに戻り、改めて無事登頂できたことを祝した。昼から時間があったので、簡易ハーネスの作り方、ツェルトの展開などをみんなでやってみた。
剱岳の下山中に一緒になった学生が訪ねてきたので、みんなで話をした。千葉の大学生で、これから単独で薬師岳・双六岳・槍ヶ岳・穂高経由で上高地に縦走するとのこと。来年はカナダに留学するそうで、若い衆は早速アポを取っていた。若い子のノリにはついていけない。
Aチームは無事、源次郎尾根を登攀して、15:40にベースキャンプに戻ってきた。
16:00からの気象通報では、西から雨域が近付いており、雨の予報。1日早い撤退を考えてメニューの変更を行った。最終日のパスタを1日繰り上げていただくことになった。この日の献立はミートソースパスタ・ポテトサラダ・茄子の浅漬けであった。山で野菜を食べられるのはありがたい。今夜も大満足の食事であった。
Cチームは八ツ峰Cフェースの登攀に時間がかかっている模様であった。17:00からの無線による定時連絡で、無事が確認された。20時過ぎにベースキャンプに戻り、祝杯をあげた。
[タイム]
5:10出発 5:45剱御前小舎 6:40新室堂乗越 7:10室堂乗越 8:20奥大日岳 9:40室堂乗越 9:55新室堂乗越 11:00剱御前小舎 11:30剱沢キャンプ場

8月13日
Bチーム・Cチーム合同で、コーン入り棒ラーメンの朝食をいただく。眠っていた身体が温まりだす。身支度を整えて外に出ると、乳白色のガスが出ている。雨は降っていないが、いつ降り出すか判らない。5時過ぎにとりあえず出発した。剱御前小舎の手前で、雨が降り出した。時折激しく横殴りに吹き付ける雨の中を黙々と歩いた。新室堂乗越付近でガスの中から雷鳥の親子が現れ、しばし写真撮影タイムとなった。8:20に奥大日岳山頂に到着した。晴れていたら剱岳の雄姿が見えていたであろうが残念ながら、その影すら見ることができなかった。ここから大日岳まで2時間ほどの距離があり、景色も望めないので、引き返すことにした。11:30にベースキャンプに戻ったところ、テントのフライが飛ばされており、一足先に戻っていたAチームによって修復されていた。しかし、テントの中は雨水が吹き込み、装備は水浸しとなっていた。吉田雄一リーダーと協議して、判断を委ねることにした。その結果、天候は今後悪化する一方で帰路の安全も保障されないことから、撤退を決意した。
雨水を含んだ装備は恐ろしく重く、剱御前小舎までの登りは辛かった。雷鳥沢キャンプ場から室堂までの延々と続く登りの階段には閉口した。それでもなんとか室堂16時発のバスに乗車することができ、あわすの温泉で疲労回復をしたのち、全員無事帰阪することができた。
[タイム]
5:10出発 5:45剱御前小舎 6:40新室堂乗越 7:10室堂乗越 8:20奥大日岳 9:40室堂乗越 9:55新室堂乗越 11:00剱御前小舎 11:30剱沢キャンプ場着 12:40剱沢キャンプ場出発 13:20剱御前小舎 14:30雷鳥沢キャンプ場 15:30室堂

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