2004年 春山合宿 不帰3峰C尾根 雪稜登攀

メンバー: 岩田・谷岡・柳瀬

5月1日
八方尾根を唐松山荘まで。雪が少なくスキーは車の中に置いていった。テント場の下の斜面で滑落停止とスタンデイング・アックスビレーの練習をする。

5月2日
いよいよC尾根の登攀。夜中から強風が吹きまくっているが天気は良い。計画では午前中に登ってしまい、午後から五竜岳まで縦走しようと甘い考えで出発した。

登攀準備 八方尾根上部

急な唐松沢を上部は後ろ向きで下降し取り付きへ向かう。P1のチムニーからフェースの登攀で「これは予想より難しい、4級・A0」と感じ、また雪の部分ではここ最近の好天気で雪がくさり、ぐさぐさで状態は悪い。

唐松沢を下る 2ピッチ目終了点よりP2を望む

P2のチムニーは下から見上げて「こらアカン」と一言。しかし巻いての雪壁も悪く、リッジに必死で這い上がる。その上の岩峰に上がるルンゼ状雪壁も一部悪く、ピッケルを氷に打ち込んで3度目の挑戦でやっと突破する。

マッシュルームを登る谷岡 タイブロックで登る柳瀬

ホッとしたのもつかの間、岩峰上のマッシュルームに上がるのにも「なむさん!」を何度も唱えながら、雪を切り崩して登る。さあ、いよいよ頂上への最後の雪壁。「俺が落ちたら、確保している二人にリッジの反対側に落ちろ!」と無理難題を言って取り付く。

ラストの谷岡 P2上、ナイフリッジでの確保

上部は垂直近いのでその下の、小さいシュルンドを手がかりにトラバース、足がぐさぐさで気持ちが悪い。そしてフィナーレの雪壁を直上してやっと頂上に着く。しめて9時間の登攀でした。

P2上の岩峰 頂上雪壁をリードする岩田

チョッと時間が掛かり過ぎたけど、経験の浅い谷岡さん、初めての柳瀬さん。確保のやり方を説明しながら、そしてこの悪い雪の状態ならば仕方がないかな・・・と思ってます。しかし、谷岡さん・柳瀬さんは頑張ってくれました。

頂上への雪壁 頂上へあと3メートル

軽量化でザイルは9ミリ1本。ミッテルの柳瀬さんはタイブロックで確保しながら登ってくれましたが、岩の部分(A0)でタイブロックはしんどかったです。よく登ってくれました。

不帰3峰頂上に立つ柳瀬 八方尾根から不帰3峰を臨む

谷岡さんはラストを落ち着いてやってくれ、登攀もスムーズで安心して見ていられました。頼もしかったです。頂上でガッチリ握手。充足感に満ち溢れてテントに戻りました。

5月3日
ゆっくり八方尾根を下山。倉下の湯で汗を流し帰阪の途につきました。

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