宝剣岳〜空木岳

日時: 2013年4月13日〜14日
メンバー: 川辺、野木、和田(他会)

3月13日(土) 快晴
朝一番7時15分駐車場発で、バスとロープウェイを乗り継ぎ8時過ぎに千畳敷へ。すでに、多くの人が浄土乗越にむかって歩いている。私たちは、登攀準備を行い8時35分に出発。雲一つない空、南アルプス、富士山の眺めを楽しみながら歩く。トレースがしっかりあり、先ずは45分ほどひたすら浄土乗越まで登る。途中、宝剣北壁から雪崩がある。小さい規模だったため大事には至らなかったが、30m程後ろを歩いていた二人組が巻き込まれる。浄土乗越からは、99%の登山者が駒ケ岳を向かう中、私たち3名は宝剣岳へ向かう。トレースはなし。気象条件も良く、雪も安定。念のためロープを1p出すが、雪壁トレース後は鎖がほぼ出ており、ロープがなくても山頂まで登れる状態であった。山頂は、小さい小さい標識があるのみ。気持ちは核心部分をぬけたつもりで、楽々気分。ゆっくり写真をとり出発。南陵のくだりも念のためロープ2p出し懸垂を行う。微妙なくだりで、思ったより時間がかかり極楽平まで千畳敷を出発から4時間弱かかってしまった。ここからは、この日はロープを一度も出すことはなかったが、今思えばロープを出すべき個所が多々あった。クラストした雪壁、岩稜をひたすら歩くことになる。岩場の巻き方の判断に時間がかかり、失敗は絶対許されないトラバースが多々あり、檜尾岳山頂に着いたのは3時20分。計画では、3時までに到着すれば先に進むであったが、天気もよかったため突っ込むことになる。皆、疲れも出始め、私自身も自分の打ったアックス、アイゼンの爪が信用できなくなり、慎重にゆっくり歩く。川辺さんが一番元気で冷静、後半のルートファインディングは川辺さんにお願いし頑張って着いていくが、18時半暗くなり時間切れ。木曽殿小屋に着くことができず、3人ぎりぎり寝れるスペースにツェルトを張り、行動終了。水つくり、食事を終えると22時前になっていた。翌日は楽勝だろうと4時起き6時出発を決め就寝。

3月14日(日) 快晴のち雨
昨夜から強風。外に出していた装備がなくなっているのでは、ツェルトが破れて飛んでいくのではと不安を感じながら一夜を過ごす。4時過ぎても強風おさまらずシュラフから出ることができない。4時50分に、とりあえず起きて朝ごはんをとる。6時過ぎると風がややおさまりはじめ、出発準備。6時50分に出発。木曽殿小屋まで一時間は、普通の雪山登山道。避難小屋をみると超快適スペース。ここで泊まれなかったのは、残念でした。小屋からは、空木山頂までひたすら登り、ロープ出す必要もなくルートをわかりやすく体力勝負で登る。途中、逆ルートで単独登山者にすれ違う。空木山頂に着くと、今まで歩いてきた縦走路、南木曽駒など最高の眺めが待っていた。風も弱まり気象条件は最高。15時までには下山目標だっため、写真をとり10時45分には 出発し先を急ぐ。まずは急な雪壁を下るが、すれ違った人のトレースがまったく残っていない。視界がしっかりしていたため暫くは尾根に沿いあるくことができたが、尾根が細くなると巻のルートがわからなくなる。トレースが出てきても古い迷い跡ばかりで、ルートファインディングに苦労する。地図を広げて悩む時間が多く、ルート自体は、昨日と比べると一般ルートらしく問題なかったのだが、2300m〜2100mあたりの迷い尾根、小地獄、大地獄で時間を大きくロスしてしまう。途中、私のアイゼンのプレートがまったく効かず、特大の雪玉を落としながら歩いていたのだが、途中雪壁のくだりでアイゼン決まらず滑落。肋骨を骨折?痛めてしまう。迷い尾根の標識から、雪壁を念のためロープをだし、1pトラバース後に1p懸垂、そして3pトラバースを行い、しっかりした踏み跡に出る。(後から記録をみると、13日に池山尾根を登り2200mあたりで敗退している2パーティ3名の記録が出てきた。)この時点で、暗くなりヘッデンをつける。下降もう1p懸垂しロープをしまう。後は、ひたすらトレースを追って歩く。暗く、はしごや鎖場が続き、鎖も出ていない部分はクラストしたところをクライムダウンし、2000mまで緊張がとけず歩く。22時前にやっと携帯がつながるところまで下山。川辺さんに、連絡をお願いしながら、安定し安心できる登山道を下る。池山小屋から雨。また、途中暗く分岐点で道に悩み、林道がおわり車道に入っても、駐車場までの道がわからず迷い、菅の平駐車場についたのは1時半となった。

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