剱岳 八ツ峰6峰Cフェース剣稜会ルート~八ツ峰上半縦走


日  程:2019年5月2日~5日
所  属:関西蛍雪山岳会
メンバー:柴谷・墨・岩田
5月2日 曇 夕方より風強し
立山駅に7時30分到着。混雑は予想していたが5時間待ちとのこと。駅近くの砂防博物館を見学して時間を潰す。立山駅には何十回と来ているが博物館に行くのは初めてであった。
室堂駅着13時。今日は雷鳥沢までかと出発するが、雷鳥沢に14時に着き相談、明日の行動を考え剱沢を目指すことになる。
剱沢着17時。テントは5張程で少ない。
時間短縮のため、すでに設営しておられるテントの防風壁を利用させてもらいテントを設営するが・・・そのテントは大阪府岳連顔なじみのパーテイであった。


 剱  岳


剱沢のテント場、テントが少ない

5月3日 晴れ~曇
快晴の下、6時に出発。長次郎沢には我々以外には1パーテイ、2人だけであった。
Cフェース取付着9時45分。岩田のリードで登攀開始する。
1P 雪壁40m 夏の1P目は雪の下。壁の左寄りを直上しハイ松でビレイ。
2P 雪壁40m ハイ松帯横を直上する。徐々に傾斜が出て来る。ハイ松でビレイ。
3P 雪壁~ハイ松帯 雪壁を直上しながら左の剣稜会ルートにトラバースしようとするも、なかなか行けない。頭上の急な壁についたハイ松帯を登るが、結構傾斜が急で足場も少なく、最後は腕力が無くなってしまった。
4P 雪壁~岩トラバース(3級)20m 雪壁からハーケンのあるレッジを左に10mトラバースすると、剣稜会ルートの核心部の下に出た。
5P フェース~ハンドトラバース 20m (3級)柴谷トップ。
フェースから剣稜会のハイライト、ハンドトラバースを快適に越えるが、後から考えると、このピッチだけが快適であった。
6P レッジ~雪壁 30m 4級+ 岩田トップ。
ルート図では2~3級のレッジからフェース・リッジであるが、今は薄い氷が一面に張りついている。
アックスを打ち込むと岩に当たり、アイゼンも強く蹴りこむと氷を破壊しそうで恐ろしい。
しかし、進まなければならない。しばらく躊躇したが、ハーケンを1本見つけランニングを取りホッと一息。気合を入れて登り灌木でビレイ。このピッチが確信であった。
7P 雪壁 20m 3級
少し傾斜の緩くなった雪壁を直上するとCフェースの頭であった。
終了時間は16時30分、時間が掛かってしまった。
今日はここまでと雪洞を掘る。
ジフィーズとスープだけの夕食を摂り、シュラフカバーにもぐり込む。
今夜はシュラフ無しだが、軽ダウン上下と象足を持って来てしまった。軟弱者!

Cフェース取付きへ


Cフェース全景


2P目


5P目 ハンドトラバース下


快適なハンドトラバース


キャプション


6P目 恐怖の氷壁トラバース


6P目 フォローの二人


Cフェースの頭の雪洞

         
5月4日 晴れ
 コーヒーとジフィーズの雑炊を5分で食べ雪洞を出る。今日も天気が良い。
6峰の美しい雪稜を登り、雪の中から出ているスリングにロープを掛けて懸垂下降は怖いのでクライムダウン。7・8峰を快適に越し八つ峰の頭に10時15分到着。
池ノ谷ガリーのコルに懸垂1回で降りる。
そこに単独の方が居られ話を聞くと、ガリーをパートナーが滑落したので県警に救助を要請しているとのこと。しばらくして滑落した方を無事、ピックアップしたと携帯で聞き、県警の指示で単独の方を剱沢まで一緒に行動することになり、ここから4人で行動する。
剱岳を越え別山尾根を剱沢キャンプ場まで降りるが、前剱の長い雪壁の降りが結構しんどかった。
   

6峰の美しい雪稜


6峰頂稜のトラバース


6峰の後続パーテイ


6峰の下降


8峰への登攀


八つ峰の頭にて

5月5日 晴れ
室堂まで下山する。




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