三倉岳 クライミング

日程:2019年3月21日~23日(21日朝発)
メンバー:望月 神宅

卒論の提出を終え、卒業に必要な単位の確認も行いようやく少しばかりの春休みが来た。1か月程前からもっちーさんにクライミング遠征に行きましょうと話していたら、広島の三倉岳が候補にあがった。三倉岳は花崗岩がよく発達しており、特にクラックとスラブで有名である。前から行きたいと思っていた。
21日:20日の夜から21日の朝までは雨の予報であったため、21日の朝に出発した。広島であるが、山口との県境なので5時間程かかった。翌日からの偵察も込めてひとまず源助崩れへ下見に行く。登山道を覆う落葉が雨で濡れていて、滑りやすかった。6合目の看板の脇から登山道を外れ、しばらく登ると源助崩れ正面へ着く。目の前に広がる岩に圧倒された。


源助崩れ正面

全体的に濡れており、下部は黒っぽく変色していた。周辺を偵察し、せっかく来たのだからとそこまで濡れてなさそうなモアイ・クラック(5.9 写真:真ん中やや左の、上まで真っすぐのびるクラック)を登ることに。もっちーさんリードで取付くと、下部は濡れているようであるが、ところどころガバなのでクラックが始まるところまでは大丈夫そうであった。クラックは中がかなり濡れており、チョークxmodmap -e "keycode 66 = Escape NoSymbol Escape" https://askubuntu.com/questions/363346/how-to-permanently-switch-caps-lock-and-esc を付けるのが意味ないくらいであった。それでも危なげなく登り切ったのは流石であった。こんな状態なので僕はTRで。登り終え、車まで戻ると6時前くらいになっていた。明日以降に備えて21時半に就寝。

22日:6時半前に起床。この日はマルチ(右ルート(10.a) 上の岳正面)を行うため1p目がある青白ハング周辺へと向かった。1ピッチ目を見ると、まだ乾いていなかったため、乾きの良さそうな兵隊クラック(5.10a)を登ることに。


兵隊クラック

もっちーさんが見事にOS。僕はTRで触らせてもらったが、何となくリードもできそうな感じがした。マルチへと向かう。1p目がまだ少し濡れていたため、ルートを少し外して取付いた。
1~2p途中:望月 立ち木などに支点をとりつつ、いやらしいスラブのトラバース、少しだけハングしたクラックを越え2ピッチの途中にカムで終了点を作り、ピッチをきる(2ピッチ途中であることは後で分かった)。
2p残り:神宅 出だしが少しハングしたフェースとクラック。2ピッチ目の途中をカムで終了点を作っているので落ちられない状況の中、緊張したが1ムーブだけ越えれば快適な岩稜帯。そのまま立ち木で終了点をつくる。
3p(となりルートの前途洋々の終了点で切る):望月 
かなり悪いスラブのトラバース。1、2便をかけてからの3便目がかなり遠く、またこの間にトラバースがあるため、ある程度登って落ちると、振られてグラウンドしそうなルートであった。見事にノーテンで越える。


3ピッチ、悪いスラブ

4p:神宅 マルチとしては3ピッチで終わりのようであるが、朝日岳頂上に向かって岩稜帯を登る。立ち木にスリングで支点を取りながら進む。最後の5メートルが傾斜はないがワイドクラックであった。終了点は気持ちの良いテラス。 5p:望月 1便目かけてすぐが核心。越えると岩稜帯。 そのまま朝日岳へと登り、ついでに中岳へと登った。中岳から見下ろすとなかなか爽快であった。


23日:6時過ぎ起床。この日は源助崩れと青白ハング周辺でクライミングの予定。初めに僕が21日にも登ったモアイ・クラック(5.9)を今度はリードで。最後のCSを怖くて右に逃げてしまったので正式な?ルートではないが一応RP。
モアイ・クラック RPトライ中

もっちーさんはヒップ・クラック(5.9)をやや苦戦しながらもRP。絶妙な幅のワイドクラックで、このグレードでは辛めのようであった。僕もTRで触らせてもらったが核心部でテンテン、そのままずりずり上げてもらう感じとなった。ワイドは慣れてないので難しい。


ヒップ・クラック RPトライ中

次にもっちーさんが近くにあるフェースのソフトクリーム(5.9)をRP。僕が兵隊クラックに登りたいことから青白ハング周辺へと移動することに。支点を細かくとるためカムも少し多めに持ってトライした。核心部のやや浅めのハンドジャムに右手を入れ、カムをセットする。すると雨、あられが降り始めてきた。少し焦ったが、自分の中で落ち着くように言い聞かせる。足をあげ、左手をクラックの抜け口に置こうとした瞬間、右手が抜けてしまいフォール。雨もやみそうになかったのでそのまま降りることにした。兵隊クラックは次回の宿題とすることに。悔しさと充実感に包まれながら湿っぽい三倉岳を後にした。


三倉岳


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