八ヶ岳アイスクライミング (上ノ権現沢・地獄谷左俣)


日程:2018年12月15~16日
メンバー:望月 山田ゆ 山田ひ 神宅
ルート:15日 上ノ権現沢(2260m付近まで) 16日:地獄谷左俣~ツルネ東稜
行程:15日 23:00梅田発
   美し森駐車場7:30
         出合小屋9:50
         上ノ権現沢取付き11:00
         2260m地点14:30
         出合小屋16:00
   16日 5:00起床
      6:30出合小屋
      地獄谷本谷取付き(上ノ権現沢との分岐付近にレリーフあり)7:00
            ゴルジュ滝(2段15m)7:50
       地獄谷分岐(左俣へ)8:50
      ナメ滝(20m)9:30
            稜線11:00
            ツルネ東稜11:20
            出合小屋13:00
            美し森駐車場15:00

12月1日のアイトレで不動岩へ向かう途中、もっちーさんと勇起さんに15~16日八ヶ岳にアイス行くよと誘われ、その翌週が忙しいにも関わらず行きますと返事してしまった。ただ全てが終わった今言えることは、声をかけてもらえて良かったというこれ一言に尽きる。
前夜発の梅田集合で23時頃出発した。快調に中央道を抜け4時頃に小淵沢に着き、車中で仮眠をとる。車中は寒くて寝づらく、今振り返ると個人的に合宿の核心であった気がしなくもない。美し森駐車場に7時前に着く。遊歩道を出合小屋に向けて進む。白い山々に青い空、自然と歩みが進む。シーズン初めにアイスクライミングなんて贅沢だと感じた。ただ例年より暖冬であり、氷が発達しているかどうかが最後まで分からなかった。前日(当日?)まで八ヶ岳西面にするか悩んでいたほどでもあった。男4人でこまめに日焼け止めを塗っていると遊歩道も終わり沢沿いを歩く。結局2時間半弱で出合小屋に着く。先に1パーティだけ入っているだけなので僕たちも小屋内にテントを張り、食材などデポする。身軽になったところで上ノ権現沢へ向かう。先に入っているパーティも上ノ権現沢に向かうと言っていたのでありがたくトレースをいただく。30分弱で凍結した沢に降りた。アイゼンなど登攀具を付ける。滝なども出てくるがフリーで越えられそうなところは越える。結局ザイルは一度しか出さないほどの難しくない滝が続き順調に進む。登りながら氷をよく見ると表面すぐ奥は水が流れていた。



この日は稜線まで抜けることは考えず14時くらいまで詰めて引き返そうと決めていた。またせっかくなので前のパーティが向かうと言っていた夢幻沢大滝を目指そうと決める。しかし、進んでもそれらしきものが現れず、地図とトポから通り過ぎたようであった。また支流に入っているようでひとまず引き返す。少し戻った分岐を右俣側に入る。100mほど進むと氷の状態も良さそうであった。ここも快調に登っていくが、14時半ごろになったので引き返す。その際再び地図を確認するとまた違う支流に入っているようであった。分岐まで戻り再度地図の確認をすると、もともと進んでいたところが正しいようであった。本流がそこまで大きいものでもなく、また支流の数もそこそこあり結果として少し目的とした沢を詰められなかった。が、今日は氷の発達具合の確認や偵察の意味もあったので、そういう意味では目標は達成できたのではと思った。


2度目の懸垂下降

2回懸垂下降を行った。どちらの懸垂下降も当たり前だがその場にあるものを使うので勉強になった。
2度目の懸垂下降時、初めにひろさんが降り次にもっちーさんが降りた。僕が降りる準備をしていると下から悲鳴が。もっちーさんが落ち口で薄氷を踏みぬいたようであった。何故かひろさんは濡れず、もっちーさんだけドボンした模様。今回が小屋内のテント泊でまだ良かったと嘆息。そのまま出合小屋へ。僕たちともう1パーティだけだったので広々と小屋を使えた。乾杯し明日の計画を相談・確認し晩御飯を食べる。もっちーさんの作ったチョリソー・ウィンナー入りクリームパスタはかなりお腹にくるものだったが、とても美味しかった。勇起さんからの日本酒も美味しくいただいた。




16日 5時起床。小屋内だからか寒くなく熟睡できた。僕の寝相が悪かったのか隣のもっちーさんは熟睡できなかった模様、すみません… 朝ごはんを済ませ、6:30出合小屋を出発。澄んだ空気が胸に透き通り気持ち良い。地獄谷は水量が多いのか上ノ権現沢との分岐辺りではただの沢であった。またゴーロとまではないものの岩が多く歩きにくい。沢が氷り始めたところでアイゼンなどを付ける。そこまで歩かないうちに曲がったゴルジュへとなった。先を進んでいたひろさんともっちーさんの歓声があがった。そちらのほうに向かうと2段15mほどの小さな氷瀑が見えた。ひろさんリードで登る。ひろさんのおにゅーのハードシェルの赤と、空の青、氷瀑の白が映える。またアイススクリューも新品のようでレーザースピードライトも光っていた。




  
僕もフォローではあるものの緊張したが何とか抜けられた。
それからしばらくはフリーで越えられる小滝やナメ滝などが続いた。そして地獄谷分岐を左俣支流のほうへと詰めることにした。




分岐から10分ほど歩いたところで20mほどの滝があり、もっちーさんリード。

この滝を越えると雪も膝辺りから深いところでは太もも下くらいまでになる。ラッセルしながら滝を登っていく。少し進んだだけですぐに息が上がるが心地よい疲れである。小滝などもフリーでどんどん越え、ツルネと同じ稜線へと11時頃抜ける。すると北のほうには赤岳から阿弥陀岳の眺望が素晴らしく南に向くと富士山がきれい。八ヶ岳によく来ているもっちーさんでもこの方向からはあまり見ないなと。


出合小屋で同じになったパーティが昨日にツルネのほうまで上がったとの報告を聞いていたので再び残っているトレースを頂き、出合小屋へ。テントなど片付け14時前に出合小屋を出る。美し森駐車場までの長い道のりを順調に歩いて15時到着。
甲斐大泉温泉パノラマの湯でお風呂に入り、帰阪。
僕としては初めてのアイスクライミングだったけど難しすぎない滝が続き大変楽しいものであった。また16日は沢を詰めて稜線まで上がることができ、中身のある山行となり充実した二日間を過ごせた。


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