瑞牆山十一面岩左岩壁・錦秋カナトコルート登攀記録

日程: 2017年5月4日
メンバー: MOCHI(報告)‐Mae、Shimo‐Tana

タイム 8:15キャンプ場出発、9:40左岩壁取付き、10:00登攀開始(MOCHI・前隊より)、13:45 MOCHI・Mae隊 カナトコピーク着、15:30 MOCHI-Mae隊 取付きへ戻る(同ルート懸垂下降+歩き)、17:00 Shimo・Tana隊 取付きへ戻る、18:00 下山(キャンプ場着)

(報告)
瑞牆クライミング合宿2日目、天候は快晴。前日は不動沢(屏風岩)で、愛好会、おしんなどのシングルピッチ、寒々ルートのショートマルチなど。身体もほぐれたところで十一面岩のロングルート(錦秋カナトコルート)に挑戦した。このルートは、一箇所5.10aのシビアなレイバックがあるが後は快適なスラブとチムニー、途中2ピッチほど樹林内の歩きもあり、難易度としては十一面付近のルートの中ではもっとも取付きやすい。

アプローチはキャンプ場から1時間+α。思いの外急登で、皆暑い暑いと言いながら登る。途中、十一面岩末端壁「春うらら」、「調和の幻想」などの横を通過し、滑りやすいガレた急坂をさらに登る。末端壁一ピッチ分の高度を上げたあと上に回り込んだら十一面正面壁(ベルジュエール)の取付きがあり、そこからしばらくトラバースすると左岩壁の取付きに至る。左岩壁はスラブ状で、アプローチの途中に末端壁、正面壁などかなり立った壁ばかり見ていたせいか見た目はえらく簡単に見える。

取付きに荷物をデポし、MOCHI・Mae隊から取り付く。1ピッチ目(5.8)はMaeさんリード。取付きから一段上がりフレークを左上してから快適なスラブ。残置は無いがカムと立ち木でランナーを取れる。30mロープを伸ばして終了点。(残置ボルト、スリングあり)

2ピッチ目はルートの核心(5.10a 25m)。MOCHIリード。出だしから数歩をまあまあ厳しいレイバックで進むとボルトあり。そこで一旦壁の傾斜は緩むが、2本目のボルトの上は再度傾斜がきつくなり、薄い縦カチを使って微妙に正対気味のレイバック(足はスラブのフリクション頼り)で数歩頑張るとガバフレーク。ガバフレーク内へカムを決め、支点を取りホッとする。個人的にはこの部分が一番難しく、しかも前のピッチでセカンドだったため、うっかりザックを背負ったままリードしてしまい、かなりキツかったがギリギリ登れた。核心を越えたあとは簡単なクラックを登り終了点(宴会テラス)へ。大木に残置スリングの支点あり。

3ピッチ目(前リード)正面の壁の基部を左に巻いて簡単な岩を二箇所ほど登り立ち木でビレイ。4ピッチ目(MOCHIリード)はその上の樹林をさらに左上へ歩き最後に簡単なルンゼ状を登ると視界が開けヘッドウォールの取付きに出る。下のキャンプ場まで見下ろせ、気分が良い。終了点は残置がないのでカムやスリングで自作要。

5ピッチ目(Maeリード)簡単なクラックースラブーチムニー。快適な楽しいピッチ。本来スラブの上のチムニーを抜けてカナトコピーク直下まで行けるが、チムニー手前の立ち木でピッチを切る。

6ピッチ目(MOCHIリード)チムニーを抜けて最後はカナトコピークへのスラブ登り。(5.7程度)スラブには残置が一切無いがカムで支点は作れる。ピークからは富士山、南アルプス、八ヶ岳…と360°の大展MOCHIが開け最高の気分。隣の十一面正面壁、大面岩にはクライマーが見える。また不動沢方面は無数に岩塔が乱立しており、まさにクライマーズパラダイス。テンションが上がる。ピークで記念写真を撮り、懸垂下降を始める。ピーク取付きへ降りるとShimo・Tana隊もカナトコピーク下まで上がってきた。

下降は懸垂2ピッチの後、樹林の中を歩きと短い懸垂下降を交えて宴会テラスへ。MOCHI・Mae隊は50mロープだったため、ここから懸垂2回で取付きへ降りる。60mロープならば懸垂1回で降りれるはず。

SHimo・Tana隊の下降を待ち、17時に下山開始。1時間ほどでキャンプ場へ戻る。結構遅い時間になったが、憧れの瑞牆十一面岩で充実したクライミングができ満足した。次は同じ左岩壁の山河微笑ルートか末端壁の調和の幻想ルートをやりたい。



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